なぜ、司法書士が法律顧問を語るのかという皆様の疑問には後編でご回答するとして、ここでは、まず、良く聞かれる「法律の顧問って必要なん?」にお答えしたいと思いま す。
社長の皆様に、法律や登記制度のお話しをさせていただくと、「いやいやウチは零細やで、そんなん適当に、エエようにやっといてや」とおっしゃることも多いです。「中小企業に法律は関係ない」というのは、本当にそうなんでしょうか?
1.法律を軽視してトラブルになった事例
法律を軽視した結果、トラブルになった事例はいくらでもあります。
⑴ 費用削減のために、無料ソフトで会社を設立して、トラブルに
☛ 同業・同名の他社が近くに存在していたのが判明!商号変更登記を要した
☛ 持株比率についてアドバイスを受けていなかったため、同じ持株を社長と専務が持ち合い、社長と専務の間で方針の違いが生じて、会社が動かせなくなった例
⑵ インターネットで拾ってきた雛形をそのまま利用して、トラブルに
☛ 契約書は、①紛争予防と②紛争になったときに有利な解決を導くために大変重要 なものです。一切書面を作っていないのは論外ですが、ネットで落ちている雛形も あくまで雛形、御社の取引にそのまま使えることはまずないと、お考えください。 取引実体に合致していないと、結局トラブルの原因になります。
⑶ 株主総会を開催していないのに開催したことにして、トラブルに
☛ 開催したことにして、自社で登記申請をして後日株主とトラブルになった事例も あります。開催しないことはもっての外ですが、現在は招集手続のミスにつけ込ま れることもあります。
2.法律を知らなかったためにチャンスを棒に
また、法律を知らなかったために、チャンスを棒に振った事例もいくらでもあります。
⑴ 新しい発明、新商品開発、新しいネーミングを考案したときに・・・
☛ 知的財産の登録を怠ったがために同業他社に先に登録されてしまい地団駄踏んで悔しがったけれど、後の祭りであった事例
⑵ 適切な専門家に適切なタイミングで相談していなかったために、時期を失した例
- 事業承継には、長い時間がかかることを知らないままに事業を続けていたら、事 業承継が完成する前に高齢で倒れてしまった。
- いつの間にか債権が時効で消えていた。逆に時効消滅した債務を返済した。
- 相続が発生して、銀行手続を先にしてから登記を依頼するために司法書士事務所 に赴いたら先に司法書士事務所に来ていれば楽だったと法定相続情報証明書を教えられた。
3.「今までトラブルに巻き込まれなかった」「チャンスをフイにしたこ ともない」とおっしゃる社長様
たまたま運が良かっただけです。日本には、多くの法律があり複雑です。複雑だから こそ法律に関する専門家も11種類もあり、分業しています。これらを全てご自身で身 につけて、事業活動を行ないながら、自分で注意しておくなんてことは、到底無理なこ となのです。
また、中小企業こそ、法律には気をつけていただく必要があります。一度不祥事を起 こし、マスコミで批判されると、資金に乏しい中小企業は倒産に追い込まれる可能性が 大企業よりも大きいからです。
4.法律の顧問がいれば・・・
社長は事業活動に専念していただけます。法律顧問はときどき貴社を訪問します。その際には、社長が最近気になっていることや新商品などの雑談をしていただければ結構です。勿論、契約書のチェックなどもお任せください。
顧問は雑談の中から、経験によって、紛争の芽を嗅ぎ分け対策をご提案します。貴社のチャンスを見逃さず適切にアドバイスをいたします。自身で解決できない問題は、自らの人 脈から適切な他の専門家を連れてきて解決します。
しかも、顧問契約を締結したお客様は、単発のお客様の仕事よりも優先して取り扱います。
まとめ | |
法律顧問が提供するもの |
紛争の芽を潰す能力(予防司法)、 チャンスに適切なアドバイスをできる能力 ▼ 幅広い知識と人脈 |
ここまでは、企業を法的リスクから守る法律顧問をご紹介しました。
5.紛争解決(示談・訴訟)
一方、紛争の解決を行なうことも我々法律専門家の大切な仕事です。企業が巻き込ま れる紛争分野は多種多様です。顧客とのトラブル、消費者問題、企業間トラブル、知的 財産、借地借家、建築紛争、労働トラブル、従業員の交通事故、離婚、相続、民事介入 暴力、刑事事件などなど。使う法律、裁判例、ノウハウは紛争の分野によって、大きく 異なります。それに呼応して、弁護士も、消費者問題に強い弁護士、企業間トラブルに 強い弁護士、交通事故に強い弁護士、離婚問題に強い弁護士・・・と多種多様で、一人 の弁護士が全分野でエキスパートであり得る筈がありません。
企業が紛争に巻き込まれたとき必要なのは、その紛争分野で(その紛争分野だけでも 良いから)突出した知識と経験を有する専門家なのです。イザ紛争が激化して、相手方 がその紛争分野で最強の弁護士を雇った場合、企業が雇っている一人の顧問弁護士が勝 つことが出来るでしょうか。例えば、消費者問題に強い弁護士が、交通事故に強い弁護 士と、交通事故事件で勝負した場合、前者が後者に勝ち得る筈がありません。企業が、 あらゆる紛争に備え、それに勝つことを想定した場合、各分野の弁護士を常備すること が必要となって、莫大な費用を必要とします。利益追求を目的とする企業にとって、必 要もないのに、専門家部隊を常に雇っておくことは、無駄なのです。
「法律顧問と紛争解決で必要とされる能力は違う」ということをご理解いただけたと思います。
まとめ | |
法律顧問に必要な能力 |
紛争の芽を潰す能力(予防司法)と チャンスに適切なアドバイスをできる能力 ▼ 幅広い知識と人脈 |
紛争解決に必要な能力 |
生じた紛争に勝訴する能力 ▼ ある特定の分野の訴訟において突出した知識と経験 |
6.法律顧問として相応しい専門職は何か?
では、一人しか法律顧問を雇えない中小零細企業は、どうすれば良いのか?
司法書士と法律顧問契約を締結することをご検討ください。司法書士であれば、訴額 140万円以下の小さな案件は、法人代表者の代わりに示談交渉を行なったり、法廷に 立つことが可能です。また、司法書士は、各分野に強い弁護士と懇意にしておりますの で、紛争が激化した際には、その分野を得意とする最適な弁護士に速やかに引き継ぐことが可能です。懇意にしている司法書士の紹介だからと弁護士報酬を割引してくれることもあるでしょう。
7.当グループの顧問契約
当司法書士事務所グループでは各分野精強の10名以上の弁護士と懇意にしておりま す。すなわち、当司法書士事務所グループと顧問契約を締結している企業は、各分野に 強い弁護士10名以上と顧問契約を締結しているのと同じメリットを享受することが可能です。
最後に当司法書士事務所グループの顧問契約をご紹介します。
個人事業主向けの①手軽に安心月額1万円プラン、
法人向けの②月額3万円、③月額5万円の定額制と、
④1時間あたり2万円のタイムチャージ制の4種類です。
タイムチャージ制は、全く業務内容・ 分量が予想できないときにご提案させていただきます。
サービス名称と内容 | プラン名称 | ||
手軽に安心 | ガッチリ安心 | とことん安心 | |
月1万円税別 | 月3万円税別 | 月5万円税別 | |
年間相談時間合計 | 12時間 | 36時間 | 無制限 |
携帯電話相談(休日でも司法書士の携帯電話宛て、直接ご相談いただけます。) | ☓ | 〇 | 〇 |
ご相談後24時間以内回答 |
△休日期間+48時間以内に回答 |
△休日問わず48時間以内に回答 | 〇休日問わず24時間以内回答 |
契約書のチェック | ☓ | 月1通まで。難易度高いものは対象外 | 月1通まで。難易度高いものは対象外 |
内容証明郵便の作成(司法書士名を表示して、内容証明郵便を作成し、送付します。) | ☓ | 月1通まで | 月1通まで |
司法書士報酬の割引(顧問サービス外の法律問題について、司法書士報酬を割引いたします。) | 10% | 15% | 20% |
執筆者ご紹介
司法書士 佐藤大輔(さとう・だいすけ)
一般的司法書士業務+事業承継・信託・従業員持株会・フランチャイズシステム・M&A等のプラン設計・実行。社長・従業員の法律相談。140万円以下の民事訴訟・示談代行。少額裁判助成制度(兵庫県司法書士会)の利用実績は当事務所が第1位。
- 会社法関係のややこしい手続
- 登記など普通の司法書士の仕事
- 黄金の士業人脈
あなたのまちの司法書士事務所グループ所属(兵庫県8拠点、東京都3拠点、北海道1拠点)
あなまち司法書士事務所
〒657-0044 神戸市灘区鹿ノ下通二丁目4番15号
(国道2号線「ナダシン」正面)TEL 078-805-1965
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