令和 2 年は、ここ数年続いていた地価上昇傾向が一変した 1 年でした。
新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明感から需要が弱まり、地価は総じて上昇傾向から横ばい or 下落傾向に転じました。
このような中にあって、令和 3 年の地価はどうなっていくのでしょうか。
全般的には、地方圏より大都市圏のほうが下落率は大きく、住宅地より商業地のほうが下落率は大きくなっている傾向にあります。
今回はこのような地価動向を把握するために役立つ公的な調査をご紹介いたします。
1.公示地価・基準地価
公示地価(国土交通省)は毎年 1 月 1 日時点、基準地価(兵庫県)は毎年 7 月 1 日時点の価格です。どちらにも共通している地点があり、この共通地点の動向を見ていくと、当該地域の地価動向を把握することができます。
<参考例>
番 号 : 神戸中央 5-5・中央(県)5-11
所 在 : 神戸市中央区三宮町1丁目
公示地価 : 7,200,000 円/㎡(R2.1.1 時点)
基準地価 : 6,700,000 円/㎡(R2.7.1 時点)
R2.1.1~R2.7.1 の半年間は「▲6.9%」の下落、年間ベースだと倍の▲13.8%です。
一方、H31.1.1~R2.1.1 の 1 年間は「+17.6%」の地価上昇傾向でしたので、非常に大きな影響を受けていることがわかります。
<土地総合情報システム>
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格を検索できる国土交通省のサイトです。
2.地価 LOOK レポート(国土交通省)
主要都市の地価動向を先行的に表しやすい高度利用地等の地区について、四半期毎に地価動向を把握することにより、先行的な地価動向を明らかにするレポートです。
令和 2 年 11 月に発表された第三四半期(令和 2 年 7 月 1 日~令和 2 年 10 月 1 日)によると、以下のとおりです。
<住宅地>
六 甲 0%横ばい(前期 0%横ばい)
甲子園口 0%横ばい(前期 0%横ばい)
芦 屋 0%横ばい(前期 0%横ばい)
<商業地>
西宮北口 0~3%下落(前期 0~3%下落)
三宮駅前 0~3%下落(前期 3~6%下落)
なお、全国的には、リーマンショック時の地価下落の主因となった、マンションやオフィスの需給バランスに大きな変化は見られていないとのことです。
<地価 LOOK レポート>
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000045.html
3.兵庫県不動産市況 DI 調査
地価推移に関する過去 6 ヶ月間における実感と、今後 6 ヶ月間の予想、並びに不動産取引件数の過去 6 ヶ月間の増減と、今後 6 ヶ月間の増減予想について、公益社団法人兵庫県不動産鑑定士協会が県内の宅地建物取引業者にアンケート調査を行ったものです。
<公益社団法人兵庫県不動産鑑定士協会>
http://www.hyokan.org/
コロナ禍により地価動向は一変しました。
不動産の担保価値、CRE 戦略(経営戦略の一環としての企業不動産活用)など、新しい生活様式を受けて、求められる不動産も変わってきます。
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執筆者のご紹介
不動産鑑定士 三宅純也(みやけ・じゅんや)
税理士さん・公認会計士さん・弁護士さんなど、士業専門の不動産鑑定士です。その価格はどのように決まっていますか?適性に評価されていない価格のままでは、税金、会社決算・株価、裁判等に大きな影響があります。「依頼者よし、紹介者よし、鑑定士よし、世間よし」の“四方よし”がモットーです。
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