厚生労働省の「助成金」とは、国の政策に連動した取組みを行い、支給要件等を満たす場合、国から会社へ支給されるお金です。会社が納めている雇用保険料の一部を財源としており、使用用途を問わず、返済不要のため、要件を満たす場合はぜひご活用ください。
助成金はたくさん種類がありますが、中でも活用しやすい制度をご紹介いたします。
■キャリアアップ助成金/正社員化コース 令和4年度版
【 概要 】
契約社員、パートタイマー、アルバイトや派遣社員などの非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するため、正社員に転換した場合に助成される制度
・貴社においての有期雇用労働者として雇用される期間が、通算して6か月以上必要です。 ・有期雇用労働者から転換する場合、貴社において雇用された期間が3年以内の方が対象となります。
・転換前6か月の賃金と転換後6か月の賃金を比べて3%以上増加している必要があります。(賞与での昇給は対象外、一部算定に含めることのできない手当あり)
・転換等をする前に、就業規則の整備、キャリアアップ計画書を提出する必要があります。
【 受給額 】
1人あたり、中小企業の場合 (※は生産性要件を満たした場合)
① 有期→正規 57万円(※72万円)
② 無期→正規 28.5万円(※36万円)
【 ※要件変更!!】
2022/10/1以降の正社員転換には、就業規則において下記の規定の要件が追加されました。 ご注意ください。
・正社員と契約社員の定義の明確化。契約社員は「1年以内」等の有期契約期間までを記載しないと、無期契約と判断される。
・正社員と認められる為には、「賞与又は退職金」及び「昇給」が必須。
・正社員転換後に試用期間がある場合は申請不可。
・契約社員と正社員との労働条件に差があること。例)契約社員は賞与無しなど
・上記の記載された就業規則を6か月以上適用された契約社員が助成金の対象となる。
■両立支援等助成金/出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) 令和4年度版
【 概要 】
男性従業員が育児休業や育児目的休暇などを取得しやすい職場風土作りに取り組み、 取得させた場合に助成される制度
・育児休業
個別に面談等を行い、出生後8週間以内に、連続5日以上(労働日4日以上を含む)の育児休業を取得させる
【 受給額 】中小企業の場合
・育児休業 20万円
・代替要員加算 20万円 (代替要員を3人以上確保した場合には45万円)
■両立支援等助成金/育児休業等支援コース 令和4年度版
【 概要 】
従業員に育休復帰を支援するプランを作成し、プランに沿って労働者の円滑な育児休業の取得・職場復帰に取り組み、連続3か月以上の育児休業を取得、職場復帰させた場合に助成される制度
【 受給額 】中小企業の場合
① 育休取得時 28.5万円(※36万円)
② 職場復帰時 28.5万円(※36万円)
以上、令和4年度版 活用しやすい助成金についてご紹介させていただきました。
簡単にまとめておりますが、他にも多くの支給要件がありますのでご注意ください。
助成金は、細かい要件や改正が多く、特に年度初めには大きな改正があることがあります。
助成金の最新情報やその他詳細な要件等につきましては、ぜひ、専門家である社会保険労務士にご相談ください。
執筆者ご紹介
社会保険労務士 岩佐 あい(いわさ・あい)
”複雑な制度をシンプルに” ひとつひとつ丁寧にご説明いたします。
一般的な社労士業務はもちろん、助成金申請を得意としています。
これまで500件を超える受給実績とフットワークの軽さが強みです。
いつも身近な存在として経営者様のお力になれるよう、丁寧に対応いたします。
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