年に一度の確定申告が終わりホッとされている方も多いと思います。
会計事務所が最も忙しくなるのが、この個人の確定申告時期です。
法人は自由に決算月を決められますが、個人は、3月15日が申告書提出と納税の期限にな ります。
還付申告の場合、受付は1月1日~、通常の確定申告は2月16日~ですが、この受付開始 日より早く申告書を提出した場合、どうなるでしょうか?
あまり早いタイミングだと会計ソフトがその年度の申告に対応できていない場合がありま すが、会計ソフトの更新が完了した段階で、私は申告書をどんどん提出しています。ほとん ど電子申告ですが、きちんと受け付けてくれます。期限前に申告書を提出すると仮受付とい う状態になり、受付開始日に正式受付となるので、早いタイミングでの提出でも問題ありま せん。
昨年10月1日からインボイス制度がスタートしましたが、それまで消費税の申告書を提 出していなかった個人事業者(免税事業者)が、10月1日にインボイス制度に登録して課 税事業者になるケースが多くありました。この場合、3ヶ月間の消費税を申告することにな りますが、今まで税込の会計処理をしていたのを10月1日以降、税抜の会計処理に変更し たケースがありました。
会計ソフトでは、税込と税抜をボタン 1 つで変えれますが、1事業年度の中で税込処理と税 抜処理が混在するというのは聞いたことがなく、そんなことができるのかと思いましたが、 ソフトメーカーはこういうことも想定していたようで、対応できるソフトもありました。
青色申告特別控除は、3つ(10万円、55万円、65万円)ありますが、金額を間違えて いるケースもよく見かけます。
- 10万円は、簡易な帳簿を付けている場合
- 55万円は、複式簿記で記帳し、損益計算書と貸借対照表を添付し、期限内に申告している 場合
- 65万円は、55万円の要件にプラスして、電子申告している場合、または優良な電子帳簿 の保存をしている場合
これらも間違えないようにしないといけません。
申告書提出期限ギリギリで領収書をガサッと持ってくる人がいますが、これは会計事務所 が最も困るケースです。領収書をスクラップブックに貼り付けていたり、領収書がクシャクシャになっているのも大変です。
最近は、領収書をスキャナーで自動的に読み取りできるので、領収書はクリアファイルに入 れてもらうようにしています。
昨年、資料をなかなか持ってきてくれなくて、1番遅い申告書の提出になったお客さんにつ いては、早くから資料をもらい、今年は1番速く申告書を提出しました。
確定申告は、工夫次第でいくらでも前倒しできますというお話でした。
執筆者ご紹介
公認会計士・税理士 小柴学司(こしば・がくじ)
M&A仲介を20年ほど専門にしており、仲介実績は100件ほどです。M&A用の企業評価は300件ほどの実績です。
1.M&A仲介
2.企業評価
3.買収監査
リオ税理士法人
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