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多文化共生の現場から/行政書士河南昭子

少子高齢化に伴って労働力人口不足が叫ばれ、近年国の様々な施策によって、日本で暮らす外国人が急増していることは周知の事実で、多くの方が実感されていることと思います。

私も公私にわたり、さまざまな国籍や文化を持つ方々と接する機会が多く、その中で、驚かされたり、笑顔になったり、感心したり、怒ったり、考えさせられたり、の経験を数多く させていただいております。

今回は、異なる背景を持つ方々と接することで得られたエピソードを、いくつかご紹介したいと思います。

このコラムは、こうであるからダメだとか、優劣や善悪を論じようとする意図がないことをご理解の上で、異文化体験の連続である私の日常を覗いてみてください。

1.察してくれない A 君

A 君から、就労ビザに関する相談があると連絡あり。今日行ってもいいですかと言う A 君に、日を改めてほしいと思う私は A 君に返信した。

 

私 「私は今日とても忙しいから、事務所に帰るのが遅くなりますので。。。」

A 君 「そうですか。大変ですね。18 時くらいに行っていいですか?」

私 「18 時はまだ帰りません、もっと遅くなります。」

A 君 「私は遅くてもいいですよ。21 時か 22 時はいいですか?」

私 「・・・。」

 

※A 君は、優しく穏やかな好青年である。私を困らせようとするつもりは、もちろんない。

2.日本人隣人のギターと歌に悩む B 君

日本に住む外国人に対して日本人住民の方からよく寄せられる苦情のひとつが、騒音である。部屋で宴会を行って騒ぐためである。私も日頃から、部屋で大きな声で騒がないように口を酸っぱくして注意している。

 

B 君 「私の部屋の隣のおじさんは、真夜中にギターを弾いて歌います。とてもうるさいけれど、私は絶対に言わないです。お互いさまだから。なぜ日本人は他人に厳しく言いますか?」

 

※B 君自身は、部屋で騒ぐタイプではない。 

3.自分をよく知っている C 君

学生の就職活動指導の一環で、各自の長所を挙げてもらった。

 

私 「あなたの長所は何ですか?」

C 君 「私は男前です。」(真顔)

私 「・・・。」

 

※C 君は確かにイケメンである。

4.「今」が長い D さん

13 時に来る約束だったが、13 時になっても姿を現さない D さんに、状況を確認するメッセージを送った。

 

私 「まだ来ないですか?」

D さん「先生、今来ます。」

 

~13 時 10 分

私 「もうすぐ着きますか?」

D さん「今来ます、先生。」

 

~13 時 30 分

私 「あなたは今、どこにいますか?」

D さん「家にいます。今来ます、先生。」

私 「・・・。」

 

※D さんの家からこちらまで所要時間徒歩 10 分弱の距離である。

ちなみに D さんの言う「来ます」は、「行きます」の意で使われている。

5.大きな声をあげる E さん

約 30 人の騒がしい留学生の前で話そうとしていた私。学生はそれぞれおしゃべりに夢中で聞こうとしない。

 

E さん「みんな黙って!先生が話せないから!」一喝

私 (ありがとう。涙)

 

※E さんも普段はみんなと楽しくはしゃいでいる今どきの女の子だ。

場合によっては、異なる文化や習慣、考え方の違いは誤解や摩擦を生むことがありますが、同時に新しい発見や気づきを得る機会をもたらしてくれます。

外国人雇用には、煩雑な手続きをはじめ様々な課題を伴いますが、異なる価値観や視点を受け入れ、それをうまく組織に取り込むことで、組織はより豊かで多様性に富んだものになると、私は考えています。

 

外国人雇用に不安や疑問をお持ちの事業主、経営者のみなさま、お気軽にこうべ企業の窓口にご相談ください。11 士業の専門家が、多角的な知見から貴社のお悩みにお答えします。 

執筆者ご紹介

行政書士 河南昭子(かんなん・あきこ)

IT講師として、日本で学ぶ多くの留学生と交流してまいりました。彼らのパワーを日本の企業で活かすべく、労使双方のために精一杯サポートいたします。

 

ALOHA行政書士事務所

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